2020年から臨床実習制度が変わりました。
受け入れ施設、バイザーが、手とり足取り、しかも威圧感を与えないよう十分に配慮し、丁寧に学生さんに指導することとなりました。(パチパチパチパチ)
正直、これまで実習はバイザーの優越的地位を利用したハラスメントが横行していました。
今回の指定規則の改定は、過去のやり方から180度転換した言っても良いほどの制度変革です。
しかし、今も昔も実習に参加する時の基本的な心構えは変わっていません。
他にも書きましたが、「やりたくて、バイザーをやっているバイザーは稀である。」という残念で冷徹な事実があります。(あなたも、セラピストとして働いてみたらわかります)
実習を引き受けているバイザー心理とは?
多くのバイザーは業務命令で、仕方なく実習を引き受けています。
初日に、にこやかな笑顔を見せてくれたバイザーの心の奥底は、「これから忙しくなるなぁ。正直、負担だなー。」というような感情が渦巻いているのです。
そんな、容易にマイナス方向に振れやすい心を持った人の下で、数ヶ月時間、学んでいかなくてはなりません。
あなたの覇気のなさや、消極性、太々しい態度はバイザーの心のパラメーターをマイナス方向に、いともたやすく振れさせます。
しかし、バイザーとの良好な関係性を築くことなしに、座学ではない、実習という、100%人間相手の環境の中で、多くの技能、知識を身につけることは不可能です。
では、バイザーと、良好な関係性を築くために必要なことは、なんでしょうか?
学科の 知識や技能でしょうか? そうではありません。
2つの鍵 ズバリこれ、積極性と謙虚さです。
- 自分から学び、吸収していこうという積極的性
- 患者さん、バイザー、先輩セラピストから学ばせていただくという謙虚な姿勢
そうです。
目の前に起こる事すべてを、貪欲に吸収していこう!!という積極的な気持ちは絶対に必要です。
しかし、ガツガツとした態度や、患者さんやバイザーの気持ちや都合を考えない自分本位な態度ではありませんか?
実習成功のキーマンは 患者さんと バイザーです。
もしこの2人の協力無が得られなった場合、あなたの実習は成立しないと言っても過言ではありません。
2人のキーマンはガッついている、自分ファーストな学生さんの実習のために、快く協力してくれるとは思えません。
では具体的にどのように行動すれば良いのですか?
積極性に関しては理解しやすいと思いますが、「謙虚な姿勢」についてはもう少し説明が必要かと思います。
具体的には実習期間中は、
あなたが 「どう思うか」、「どのように判断するのか」 と同じ位「患者さんや指導してくれるバイザー」が、
- どう思い、どう感じるのか?
- どのように判断するか?
を意識しながら、態度・行動を表出していくことが、あたくしの考える学ばせていただくという謙虚な姿勢です。(あくまでも、自分の中で行うべき事柄を整理、把握した上での話です。)
簡単に言ってしまえば、「あなたの方で相手の都合を考えて、行動、振る舞いを調整しなさい。」ということです。
決して「相手の方に、自分に合わせた行動をしてもらうこと」を期待してはいけないということです。
なぜなら、あなたは「勉強させていただく立場」だからです。
上記のことを若いあなたに実行してもらうことは、難しいかと思います。しかし、この難しさこそが実習の難しさの本質なのかもしれません。
まだ、わかりにくい?では さらに細かく分析すると。
例えば、あなたは回復期病院に実習にきているとします。
今回の実習の目標は大まかに言って、「身体機能を向上させ、患者さんが自分でできることを増やす」ということにしましょう。
患者さんの機能を向上させるためには、何をすべきか?
→先ずは現状を正しく評価する必要がある。
→そのためには患者さんに触れたり、説明しなければならない。
→そのためには患者さんと良好な関係を築かなければならない。
上記のような考えにたどりつくと思います。
そうなんです。機能回復をつきつめると、社会人としてのマナーいわゆるソーシャルスキルが必要ということになるのです。
※ソーシャルスキルとは、ここでは「他人と良い関係を築き、社会に適応するために必要な能力」のこととします。
でっ、患者さんと良好な関係を築くためにはどうすればよいのか?
- 身だしなみに気を配りましょう。清潔感ある印象を持ってもらえるようにしましょう。
- 親しみを持ってもらえるよう、柔らかい表情、丁寧な言葉遣いで話しましょう。
- 親切に接しましょう。患者さんが困っていることの手助けをしましょう。
さんざん、色々なことを書いてきたきたけど、答えは極々当たり前のことを行いましょう。ということになりました。
バイザーと良好な関係を築くためには
こちらの記事を参考にしてください。
実り多い実習にするためには
制度上、学生さん中心の実習運営が必須となりました。あからさまな、パワハラ的な指導をされることは、そうそうないかと思います。
これからは逆に、「必要な指導をしてもらえない。」「バイザーが指導に積極的でない。」ということが、頻繁に起こってくることが予想されます。(バイザーにも自分の生活があります。)
そのような環境では、バイザーがあなたに良い印象を抱けば、「忙しいけど、多くの経験を積ませてあげたいな」と考え、患者さんと濃密な時間を過ごせるように、骨を折ることでしょう。
だけどバイザーがあなたのことを好ましくない印象を持っていれば、忙しい中、あなたのために手間をかけて、指導してくれるでしょうか?
露骨にバイザーがあなたの指導に対して、積極的でない態度を示すことはないかもしれません。
そのかわり、バイザーの持っている知識や技能も十分に、あなたに教授されることはないでしょう。
あなたは、忙しい師匠の下についた芸人の卵
日常生活で、社会人としての言葉遣いや、礼節に慣れておきましょう。
具体的にはお店で接客してもらった、気持ちの良い店員さん、かっこいいと思う店員さん の振る舞いをイメージし、自分の目標としてください。
人が見て、あなたのことを応援したくなるような態度を心掛けてください。
ちょっと想像してみてください。あなたに「弟子」がつきました。
自分は忙しく働いているのに、弟子は背筋を丸めてぼーと立っている。
座る時は、頬杖をついてあくびをしている。そんな弟子の面倒を見たいとおもいますか?
要はそうゆうことです。あなたは、忙しい師匠の下についた芸人の卵だと思ってください。
積極性と謙虚な姿勢が必要な理由がわかるかと思います。
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