新人理学療法士・作業療法士のための検査データの見方

Inspection results新人さん

患者さんの訓練に入る前には、カルテ上で、バイタルサインの状態を確認します。

発熱の有無や食事摂取の状態、病状把握のための “検査データ” の確認も欠かせません。

しかし検査データは項目が多いし、その値をどのように解釈して良いかもわからない。

優先順位の高い項目から教えて欲しい!と思っている新人さん、学生さんも多いと思います。

この記事の内容は

「だるくてリハビリが出来ない。」この言葉にお悩みの新人さん必見
 臨床の場で確認することの多い、Hbヘモグロビン量)を詳しく説明。
 この値を確認することにより、リハビリ実施の可否、その内容、を決める判断基準となります。

「患者さんが離床してくれない!」 それって、本当にやる気の問題?

ベッドサイドで「リハビリの時間ですから離床しましょう」と、患者さんに声掛けをしたところ、「体がだるいくて、、、」と、なかなかリハビリに応じてくれない。

本当に困ってしまいますよね。

でもちゃんと理由を話してくれる場合は、まだ良いほうなのかもしれません。

「リハビリの時間ですよ。」と声掛けしても、一言、「やらない!」と言って布団をかぶってしまい、取りつく島もない。そんな経験をしたこともあるかと思います。

上司から一日のリハビリ実施患数が決められているのに。。。

なかなか離床に応じてくれない患者さんを前にして、必死のアプローチをしている皆さんの姿が目に浮かびます。

そんな時に良くスタッフ間の会話で聞かれる言葉が、「〇○さんは、やる気が無いから困っちゃうよ」と。

しかし本当に患者さんの(やる気の)問題なのでしょうか?

Hb(ヘモグロビン濃度)呼び方 ハーベー 基準値13.2~17.6

先ず注目して欲しい値は、Hb、リハスタッフの間では「ハーベー」と読まれています。ちょっと言葉の響きがかっこいい?と感じませんか?

「エッチ、ビー」だと真っ先に思い浮かぶのは鉛筆ですよね。

このハーベーという呼び方はきっと、ドイツ語読みなんでしょうね。医学用語はドイツ語由来の言葉が多く使われています。

何がリハビリへの意欲を低下させているのか?

リハビリに対するモチベーションの低下因子は多くの要因がありますが、臨床で良く遭遇するケースは以下ではないでしょうか?

精神機能面の問題
「認知症」「せん妄」などでリハビリに対しての理解が得られない。良くあります。

環境の問題
睡眠不足・・・夜の病院は様々な物音が響き渡っています。しかも、ひっきりなしに。

身体の問題

  • 疼痛・発熱・・・熱がある、痛みがある時のリハビリは辛いです。
  • 栄養不良 ・・・単純に起き上がる力が湧いてきませんよね。TPAlb
  • 鉄分不足 ・・・倦怠感の訴え、動悸などがあれば、疑います。→Hb

上記の因子の中で検査データを見るだけで、比較的その理由がはっきりする場合もあります。

体内の栄養状態の指標である、TP(総たんぱく)、Alb(アルブミン)
血液中の赤血球量の値である、Hb(ヘモグロビン量)です。

栄養についてはイメージし易いかと思います。

空腹では動けませんよね。

まして、その状態が継続することにより、生命活動を営む上で支障が出てくるほどの栄養不良の状態にある場合もあるかもしれません。

そんな状態の患者さんに、リハビリの実施を望むことはできませんよね。

貧血状態の時に果たして、あなたはベットから起き上がれるのか?

次のHbですが、これは「貧血」の指標です。

貧血のイメージとしては「顔が青白い」、「朝礼中に急に気を失って倒れてしまった」など、活気がなく、弱々しい姿が浮かんできませんか。

そうです。貧血状態では力が湧いてきません。しかし患者さんが貧血状態にあるかは、患者さんの顔色などを注意深く観察しても、意外と気付きにくいものです。

そのような時は血液データのHbの値を確認してみてください。分かり易い指標として、臨床でも頻回に参照され、リハビリに生かされています。

Hb 10.0未満だったら、臥床していた状態で、倦怠感があるかも。


Hbの基準値は、13.2~17.6ですが、10以下になると、肩こり、倦怠感などの患者さんの身体的不調が出てくる患者さんもいますが、全く症状の無い患者さんもいます。

しかし、8.0以下では倦怠感や意欲低下を訴える患者さんが目に見えて増えてきます。

目安となる検査データの値と自覚症状は、かなり個人差が大きいですが、重度の貧血治療の時の医師の目標数値は、先ずはHb>8.0以上です。

あくまでも、Hbは1つの指標であり、この数値のみで患者さんの、離床を進めるべきか、否かを判断することはありません。

毎日の臨床では、視診や問診、他の検査データを参照し、離床を進めるべきかを総合的に判断しています。

まとめ


患者さんからリハに対して拒否的な発言があった時に、(リハスタッフのあなたは)感情的に(患者さんの)感情的な問題と判断せずに、

利用できるデータを活用し、身体機能の問題の可能性はないのか?と考え、本当に体の状態が悪くてリハビリができない可能性があることも考慮しましょう。

ベースに入院する程の病気を抱えていて、強い倦怠感がある時に運動ができるのでしょうか?

私だったらちょっと無理ですね。

リハビリ職が注目すべき、基本的な検査データの値について説明しています。

こちらの記事も一緒に読んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました